2回目の入院の目的はあくまで生活改善で、出にくくなったすい臓を休めて、薬の量を減らしていくものと考えていました。
なぜ、そのような考えになったのか?
それはこのときの身体は薬の効きが悪かったので、血糖値を下げるには肩にインシュリン注射をしてもらい、そして血糖値を下げていく。ただ、インシュリン注射を打つと低血糖の心配があるので、それを予防するために入院しなければならない。
その後、インシュリン注射は前回の入院時と同じように必要がなくなるので、その時点で投薬に治療法を変えていく。そして、薬の効きが良くなったら退院する。
自分の中ではこの考えで、つじつまが合うし、筋も通っているのでそれ以上のことは考えませんでした。また自分ではなかなか休ませて欲しいと言えないので、今回の入院はいい休養だと思ってゆっくりしようと思いました。
また、このとき、娘はもうすぐ1歳の誕生日をむかえる頃で、仕事が忙しくてなかなか遊ぶ時間もなかったので、会社を休むので一緒にいる時間が増えて嬉しい入院だ、とまで思っていたのです。「インシュリン注射の練習をしましょう」と言われるまでは・・・。
「インシュリン注射? は?」
それがわたしの第一声です。この先生は誰に何を言っているのだろう?患者を間違えているのかな?真剣にそう思いました。
しかし医師はわたしに、いまのわたしの身体の状況、これまでの経過、そして今後の展望を詳しく説明してくれました。理解しました。いや、理解したような気がしました。そこで頭によぎったのは
「インシュリン注射をしたら人生終わり。」
ありえない。そして医師に尋ねました。
わたし:「何ヶ月かインシュリン注射をして、
その後、投薬に変えることもできるのですか?」
医 師:「インシュリン注射をすることによって、
すい臓の負担を軽くし、すい臓を休めることによって、
インシュリンがまた出てくる場合もあります。」
わたし:「それはどれくらいの確率で出て来るのですか?」
医 師:「それは人によって異なりますが、
出てくることのほうが稀ですよ。」
突きつけられた現実。逃げようのない現実。しかしわたしはそれでも悪あがきをしました。普段なら医師の言うことに逆らう事は決してしませんでしたが、今回はそうも言ってられません。
医師の言うことを受け入れた時点で、インシュリン注射をしなければならず、それによってわたしの人生が終わってしまうからです。
インシュリンを毎日2回、自分で注射しなければならない生活。そんな生活がこの世にあるのか?
ありえないっ!!
これが悪あがいたときの電子カルテです。
医師にもう一回、薬による治療をして欲しいとお願いしました。どんなに強い薬になってもいいので、インシュリン注射だけはやりたくないと伝えました。
その結果、1週間だけ投薬による治療を行い、その結果を見て最終的に判断しましょうという結論に至りました。
1週間後・・・
結局、状態は変わらず、インシュリン注射をすることを決意しました。
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