さすがに糖尿病になったことはわたし自身ショックでしたが、いつまでも嘆いていてもどうしようがありません。嘆いていても糖尿病はよくなりませんし、完治させることが出来ない現実を嘆いていてはストレスが溜まり、さらに糖尿病が悪化していきます。
こうなってしまったら、くよくよしてもしょうがありません。生活・考え方を変えるしかないのです。変えるしか・・・。
さすがにこの「変えなければならない」だけは、精神的ダメージが低い「変えたほうがいいかも」という気持ちではだめです。この場合の「変えなければならない」は糖尿病にとっての根本であるからです。
もしこれを「変えたほうがいいかも」という気持ちでいたら、糖尿病になってしまいます。あくまでこの気持ちの持ち方は糖尿病にならないため・悪化させないための考え方だからです。
ここだけは強く言います。
「生活を変えなければなりません。」
無理やりの退院後、わたしの生活はどう変わったか?さすがに劇的には変わりません。体調面で入院前と退院後で変わったことと言えば、飲む量とトイレに行く回数が正常に戻ったぐらいです。
それ以外の体調は入院前と退院後ではまったく同じです。まったく同じということは入院前とまったく同じ生活ができるのです。
交通事故で骨折して2,3日入院して普段の生活に戻ったときは、まだギブスをしているので、自分の意思に関係なく、生活を変えなくてはいけません。
しかし、まったく退院後も同じ生活ができる状況では自分の意思を変えなければ、生活は変わらないのです。しかもその変えなければならない生活は食べたいという本能とも戦わなければならない辛いことなのです。
どれだけ生活を変えれば糖尿病が悪化せず、大丈夫かという基準や法則はありません。
「1週間にハンバーガーを8個食べたら、糖尿病になりますよ。」という法則があれば、それにならないように変えれるだけでいいのです。
自分に都合のよい変え方をしても病状は悪化しない場合もあれば、どんなに自分に厳しく生活を変えても病状が悪化する場合もあります。
さらに生活を変えなければならないのは、自分一人だけではありません。周囲の人の生活も変えてもらわなければなりません。
わたしの場合、食卓からお肉メニューが極端に減りました。その代わりに野菜が増えてきました。家族もわたしだけお肉が食べられないという状況が不憫に思えたようで、わたしと一緒のときは同じものを食べていました。
また台所に「はかり」も登場しました。「食物交換表」なるものがあって、それをもとに食べる量(グラム数)を量っていくのです。
ちなみに糖尿病では「1単位=80キロカロリー」という考え方があり、わたしは1,440キロカロリー、つまり18単位の食事制限です。この18単位を朝・昼・晩に分配して、ご飯2単位、おかず3単位など栄養のバランスも考えて計算して食べるのです。
なので、昼食も弁当を作ってもらうようになりました。外食やコンビニの弁当ではカロリーが高く、また単位計算ができないからです。
これはわたしではなく、周囲の人にしてもらわなければなりません。もちろん自分が料理する時間があるのなら周囲の人に迷惑をかけなくてもいいのですが。
続いて運動療法です。
スポーツジムに行くことも考えたのですが、それではお金もかかるし、「スポーツジムに行くという」新たな行動を生み出さなければなりません。
さすがに仕事が忙しく、そのときの生活の中に時間的に「スポーツジムに行くという」という新たな行動を生み出すのは困難であるため、これは断念しました。
その代わり、歩くということを選んだのです。それも自宅の最寄り駅のひとつ前の駅でおりて、そこから歩くのです。
糖尿病によいとされる有酸素運動は20分以上続けなければ効果はないといわれているので、歩く時間が20分に満たない場合は、2駅前からおりた方がいいでしょう。
わたしの場合、田舎のためひとつ前の駅で降りても50分以上も歩かなければならないので、問題はありませんでした。
これなら会社には毎日行っているので、新たな行動を生み出す必要がなく、一つ前の駅で降りるという選択をしただけで、十分な運動が可能になったのです。現在の生活の中で行っている行動を少し工夫するだけで十分な運動ができ、さらにその方が長続きします。
また歩くということは着実に目的地まで進んでいくので、家に着いた時はなんともいえない達成感・爽快感があります。この達成感・爽快感を味わうことは糖尿病にとって非常に効果的です。
それ以外に間食はせず、毎朝きちんと朝ご飯を食べ、飲み会に行っても脂っこいものは避けて、回復のために生活を変えました。
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