当時のわたしにはただ、ひたすらがむしゃらに突っ走ることしかできず、またそんな自分に酔っていたのも事実です。
「この困難を乗り越えたら、俺はまたひとつ大きな人間になる」と。
しかしこの状況を「困難」にしてしまったのはわたしなのです。「しなければならない」を「したほうがいい」に変えて、さらに「心の余裕を持つ」という心がけを持っていれば、「困難」ではなくなったのかもしれません。
しかし当時のわたしには「困難」だったのです。
大きなプロジェクトにはやはりいろいろな問題があります。思うように動かないこともたくさんあります。わたしの性格は基本的に「前向き」でさらに「会社では疲れた姿を見せない」という信条のもとで働いています。
疲れた姿は周りを疲れさせます。疲れた姿では決していい仕事ができません。これは今もそうなのですが、この考えだけは変えられそうもありません。自分が自分で誇れるところなのですから。
しかしこれがわたしの糖尿病で一番良くないかもしれません・・・
また、やると決めたからにはとことんする。自分が納得しない仕事にクライアントは納得するはずがない。これも信念です。
その結果、労働時間は非常に長くなります。しかも、心の奥底では早く大阪に戻らなければという気持ちが根付いていたので、いつも最後まで会社に残るという生活を送っていました。
また、当時は一人暮らしをしていたので、誰にも気兼ねすることなく思いっきり仕事ができました。当然、食事はほとんどが外食、さらに多忙のため、ご飯を食べる時間もまちまちで、規則正しい生活とまったく反対の生活をしていました。
しかも食べている時間は、ほとんど毎日が深夜の帰宅で、食べているものもコンビニで買った弁当やカップラーメンやお菓子などという高カロリーの食べ物ばかりでした。
また毎日、毎日このような生活をしていると、「俺は仕事しかしていない」と考えるようになり、たとえ帰宅が深夜2時になろうが3時になろうが、必ず帰宅後に自分の時間を2時間持つと決めたのです。
その2時間で読書をしたり、ビデオを見たりしたりと自分の好きな事に時間を費やしたのです。それには睡眠時間を削るしかないのですが、この2時間が自分にとって心のバランスを維持し続けるために必要な時間だったのです。
もう少し言うのなら、身体をいたわって2時間多くの睡眠をとったとしても、心のバランスが崩れ、その結果、身体もボロボロになっていたでしょう。
「精神と糖尿病には因果関係がある」
これは繰り返しでてきます。
それでも多忙な生活で精神はだんだん病んできて、仕事以外のことを考える余裕もなくなり、何が正しくて何がおかしいのかという判断がつかなくなってきました。
どういうきっかけかは分からないのですが、必ず寝る前に「アズキモナカ」1つと「カルピスバー」2本の合計3つのアイスクリームを食べることが日課になり、この日課を果たさないと1日が終わった気がしなくなりました。
この習慣は3ヶ月間続きました。終わった理由は大阪に戻り、実家で生活を始めるようになったからです。つまり急激な環境の変化があったため、この悪しき習慣をやめることができたのですが、もしあのまま東京にいれば、倒れるまで続けていたかもしれません。
「悪しき習慣は不幸が起こってからでないと改善しない」
これもよく出てきます。
この習慣のおかげで、わたしはしぼんだ風船を膨らますかのように見る見る太っていきました。
まあ、28歳のこの時期で糖尿病という病気があるということは知っていたのですが、どんな病気かということは知らず、ましてや自分が糖尿病になるなんて思いもしなかったのです。
このときの体重は73キロありました。ちなみに身長は165cmです。
肥満度を測る指数としてBMIというものがあります。BMIが「25」を越えたら高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなるのです。
BMIの計算方法は「BMI=体重(kg)÷身長(m)2 」です。
この時期のわたしのBMIは「73÷(1.65×1.65)」=「73÷2.72」=「26.8」
つまりこの時期に既に糖尿病になりやすいラインを超えていたのです。
ちなみにBMIの数値の目安として、
25以上 → 高血圧、高脂血症
27以上 → 糖尿病
29以上 → 高コレステロール血症
の発病率が通常の人の2倍になるそうです。
BMIが25以下なら糖尿病にはならないというものでもないのですが、自分の体重のデッドラインを知っておいたほうが良いでしょう。
「体重のデットライン=25×身長(m)2」です。
わたしの場合、体重のデットラインは「25×1.65×1.65」=「68.0」
なので、体重が68キロ以下でいるようにいつも心がけています。これを知って心がけるだけでも、ちょっとした歯止めがきき、普段の生活でも糖尿病対策として十分効果はありますよ。
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