コントロールできない不安
この話は皆さんにお伝えするかどうか非常に迷いました。といいますのは、このサイトは前向きに糖尿病と向き合い、さらに世間の皆様に糖尿病に対するイメージを良く(?)したいという想いで書き綴っています。しかし、今回の話は自分ではどうすることもできない話です。いままで何か問題があれば、それに対して、自分なりの考えで納得し、実践したのですが、この話だけは自分ではどうすることも出来ないのです。
以前、パニック障害と自分のこころの中でで起こったことを書き、その原因を低血糖でブドウ糖静脈注射で低血糖と分析しました。しかし、あれから何日も経過し、そして安定した血糖コントロールの中で、低血糖にならなくても心が崩壊するような感じがします。
わたしはこれまで、不安はいくらでも経験しました。何日かまったく眠れないような不安もあり、不安というものは認識しています。しかし近頃経験する感覚は不安というより、心が崩壊し、自分では自分の気持ちがコントロールできないような感じです。
深呼吸しても、吸い足りない、あくびをしたいのにあくびがでない。こんなときは、なんとも言えない絶望感に襲われます。言葉の表現が間違っているのかもしれませんが、その瞬間は生きていることがしんどいとそんな感じになります。
ただ、この感じは毎日出てくるのではなく、半年間、出なかったり、2,3日で出てきたりとまちまちです。そして普通の精神状態のときは、「なんで、あんなことになるんやろ?精神が弱ってるんとちゃうか?」とあくまでも他人ごとのように思っています。
そんな感じなので、入院しているときでも主治医や看護師さんと話すときは普通の精神状態なので、「何とかかなるわ」という気持ちと、精神が弱っているなんて、一家の大黒柱(?)でもあり、1児の父親でもあるのに、家族を不安にさせるような、そんなかっこ悪いこと言えないしなとずっと話さないでいました。しかし、退院する2日前にその感覚が襲ったのです。
それで、このことを看護師さんに話し、そして主治医にも伝えました。しかし、普通の精神状態のときはなかなかうまく表現できないのです。自分がうまく表現できないことなので、不安は誰でもあるし、気のせいと違うといわれることを心配したのですが、主治医も看護師さんもじっくり話を聞いてくれたのです。その瞬間、わたしは話してよかったとそう思いました。そして精神を安定させる薬を処方してもらい、また薬剤師さんからも、糖尿病でインシュリンを打つようになった人の中には、そのように不安になって薬を処方している患者さんもいらっしゃるという話しを聞きました。
まだまだ、これからこの感覚がなくなっていくのかどうかは分からないのですが、今回の出来事でわたしが痛感したことがあります。それはわたし自身が「こころをコントロールできない」という症状に対して偏見を持っていたということです。弱い人間とそう思われるのではないかと、それがとても恥ずかしかったのです。
糖尿病に対して偏見を持っている人に、偏見を持たないで欲しいという想いもこの糖尿病奮闘記で書いているくせに、わたしは、「こころの病気」(敢えてこころの病気と書かせていただきました。)については偏見をもち、そして自分で何とかしようと戦い続けていました。(少し表現が大げさかもしれませんが・・・)
しかし、今回勇気を振り絞って、主治医、看護師さん、そして薬剤師さんに伝え、そしてそのことを正面から聞き入れてくれたことで、すごく助かりました。主治医や看護師さんにどう思われるか分からない、ましてや血糖値のように数値としてでてくることではないこのこころの症状を聞き入れくれて、そして安心を与えれくれた病院の方にほんとに感謝しています。このまま、こころが壊れるような感覚がなくなっていけばいいと思いますし、今回話したことによって、何か違ってくるような気持ちもします。
もし、糖尿病で悩んでいる人がいたのなら、それを医師に伝えてください。自分ひとりで戦うことは大変です。そして、その不安に対して、医師が納得できないような、流れ作業的な診断をしたのなら、医師や病院を変えてみたほうがいいと思います。
自分の弱さを伝える勇気。これはなかなか難しいと思うのですが、それを受け入れてくれるところが必ずあるので、頑張って勇気を振り絞ってください。糖尿病は長く続く病気です。自分自身はもちろん、家族、職場、そして病院との信頼関係が快適な糖尿病生活を送るための秘訣だと改めて感じました。
糖尿病SNS・DMサークル | いま、糖尿病奮闘記は何位?
更新日 : 2006年12月22日 09:28