糖尿病を知れば糖尿病なんて怖くない。怖いのは糖尿病に対する無関心。糖尿病に関心を持つことが糖尿病対策の第一歩。

糖尿病奮闘記

第41話 過去より未来

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 糖尿病奮闘記 

~ 30歳で糖尿病になり、インシュリン注射をしている男の奮闘記 ~

                         2006/12/4 vol.0041
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こんにちは。

30歳で糖尿病と診断され、32歳でインシュリン自己注射を

するようになった『はしもと』です。


3度目の入院生活が始まって3週間。

糖尿病食の夕食を美味しく頂き、いつものように病院の外の喫煙所に向かう。

そこには見慣れた顔が並ぶ。

「うッす~」と言って開いている椅子に座る。

「にいちゃん、血糖値はどうやねん?」といつものおっちゃん。

「昨日、低血糖起こしましたわ~」とわたし。

「そんなときは小さいコーラを飲んだらええで」とおっちゃん。

「小さいコーラって、80mlぐらいのやつですか?」とわたし。

「知らん。これくらいのやつや!」とおっちゃんが手で示してくれる。

微妙な大きさ。80ml?、250ml?

しかしこれ以上、この話題を長引かせると場の壊す。

「わたしも買っときますわ!!」とわたし。

おっちゃんは少しご機嫌。そして、和やかな会話が続く。

その時ふと、誰かからこんな質問がでた。

「何が一番欲しい?」

「娘と一緒に焼肉屋に行きたいな~」と心の中のわたし。

少し間をおいて、大腸がんのおっちゃんがその質問に答えた。

「寿命やな・・・」

しかし、そこには重い空気はない。みんな未来を見てるから。

そしてみんなは明るく、会話を続けた。

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■過去より未来。

 わたしはサラリーマンですので、仕事で初めて会う方には名刺を配ります。

 しかし、病院の色端会議では名刺なんていりません。

 しかも話している相手の名前も知らないことも多いのです。

 知っているのは顔と病名。それで十分なのです。

 ですので、病院での色端会議では自分の病気のことについては、

 健康な人が聞くと「何、甘えてんねん」ということでも、素直に話せます。

 わたしは、糖尿病になったのは、自分の責任であるという考えがあります。

 「自己管理がでない、心の弱い人間」

 この考えがあるため、周囲の人に糖尿病であることを告げるのに躊躇します。

 しかし、わたしは他人と比べて特別、異常な生活をした覚えはあまりありません。

 同じように昼食に行き、同じように飲みに行き、そして私だけが糖尿病になった。

 この思いをこの色端会議で話したところ、スカッとするような返事がありました。

 「兄ちゃん、それが病気や」

 答えてくれたおっちゃんは、癌で何度も手術をしています。

 「俺も普通に生活をしてた。みんなと同じように生活して癌になった。」

 わたしにとっては衝撃の一言でした。

 糖尿病は自己管理で回避できる病気で、回避できなかったのは自分のせい。

 それも事実です。

 しかし、わたしは考えを変えて、糖尿病になってしまったことを恥じるより、

 血糖コントロールを正常に行わないことを恥じるようにします。


 う~ん、出来るかな・・・?


 ━━ 今回の格言 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  過去を振り返るよりも、これからどうするかが大切。

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更新日 : 2006年12月14日 08:00




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